メイクやスキンケア、着替えのたびに気になるほくろ。
「ほくろを自分で手軽に取れたらいいのに」と思ったことはありませんか。
市販品の中には、「ほくろが取れる」除去クリームがあります。
たしかにクリームを塗ってほくろが取れるとすれば簡単で便利な気がしますが、本当に除去クリームでほくろは取れるのでしょうか。また、安全に使えるのでしょうか。
今回は、比較的安価で手軽に感じられるほくろ除去クリームやほくろ除去の方法のうち、以下について解説します。
●そもそも、ほくろとは
●ほくろ除去の方法
●セルフほくろ除去の方法
●ほくろ除去クリームの仕組み
●おすすめのほくろ除去方法
ほくろに悩む方はぜひ最後までご覧ください。
ミセルクリニックのほくろ除去治療についてはこちらのページをご覧ください。
ほくろとは?定義や受診・除去の必要性を確認
肌の表面に現れることから、日常生活でもほくろを意識することは多いでしょう。
ほくろ除去を考えるとき、まずはほくろについて正しく理解し、受診と除去の必要性や適切な方法を検討する必要があります。
ここでは、ほくろの定義や病気との関係について簡単に確認しましょう。
ほくろの定義
ほくろは、皮膚の表面に現れる色素沈着によってできるできものを指します。
正式には「色素性母斑」「母斑細胞母斑」「色素細胞母斑」などと呼ばれます。
一般的には直径が数mmから数cm程度の大きさで、色は肌色や茶褐色です。
ほくろができる原因
ほくろは、皮膚の細胞であるメラノサイトが特定の部位に過剰に色素を生成することによって形成されます。
遺伝的要因や日光による紫外線曝露、ホルモンバランスの変化などがほくろの原因とされています。
ほくろと皮膚がん
ほくろ自体は良性腫瘍であり、一般的に健康に問題を引き起こすことはありません。
しかし困ったことに、専門医でなければ見た目では皮膚がん(基底細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)など)との区別がつきにくいのです。
皮膚がんもがんの一種ですから、放置すると進行してしまいます。
医師の診察を受けた方がよいほくろ
また、がん以外の病変を見逃す可能性もあるため、自己判断は非常に危険です。
「このほくろはがんじゃないと思うから大丈夫」と早合点せず、ほくろが気になったら必ず医師の診察を受けましょう。
特に以下の場合は、早めに皮膚科医の診察を受けることが重要です。
診察の結果ほくろではない病変が見つかったら、適切な処置・治療を受けられます。
●ほくろが大きくなってきた
●最近、ほくろの形が変わった
●ほくろの表面が盛り上がっている
●ほくろの表面がでこぼこしている
●ほくろとほくろでない部分との境界がぼやけている(不明瞭である)
●ほくろに痛みやかゆみがある
●手で触れやすい場所にほくろがあり、意図せず傷ができてしまう
除去したほうが良いほくろ
がんや病気の心配がなくても除去するほうが良いほくろもあります。
たとえば、以下のほくろは除去をおすすめします。
●顔にあるほくろ
●顔以外でも美容上気になるほくろ
●服やアクセサリーで擦れやすい場所のほくろ
顔のほくろは人に与える印象を左右します。
毎日コンシーラーで隠す場合、ほくろのない部分に比べて摩擦刺激がより多く加わるため、肌に負担をかけてしまいます。
また、顔以外でも前腕、デコルテなどで露出しやすい部分のほくろは気になるものであり、日常生活で擦れやすい部位のほくろは傷ができやすく、感染のリスクも高まるため、除去して気にせず生活できることが望ましいといえます。
その他、ほくろについては次の記事で詳しく解説しています。ぜひお役立てください。
【ほくろについて知りたい方へ:「ホクロは良いもの?悪いもの?」】
【ほくろを増やしたくない方へ:「ほくろはなぜできる?作らないための生活習慣とは」】
ほくろ除去の方法とは?医療機関での除去、セルフほくろ除去を解説
ほくろ除去にはいくつかの方法があります。
ほくろの大きさや部位によって、適切な方法が異なります。
ここでは大きく「医療機関でおこなうほくろ除去」「セルフほくろ除去」にわけて解説します。
以下の記事でもほくろ除去についてお伝えしています。ぜひご覧ください。
【ほくろ除去のよくある疑問やおすすめを知りたい方へ:「ほくろを取りたい!おすすめ除去方法」】
医療機関でおこなうほくろ除去
医療機関でおこなうほくろ除去には、以下の方法があります。
●メスによる切除(切開法)
●凍結療法
●レーザー治療
メスによる切除(切開法)
ひと昔前は、メスで切り取る方法が主流でした。
切除する場合、局部麻酔を使用してほくろを切り取り、傷を縫合します。
電気メスで切り取られることもあります。
手術による除去は、直径が5mmを超える大きなほくろの場合に検討されます。
大きなほくろを確実に取り除くことができますが、「切る」「縫う」工程があることで傷が残ること、施術後のケアがしばらく続くことがデメリットです。
悪性腫瘍の疑いがあるほくろに用いられることもあります。
凍結療法
凍結療法とは、液体窒素を使用してほくろを凍結し、凍結部分を取り除く方法です。
ほくろの除去治療でもまれに用いられることがありますが、凍結療法はいぼなどの感染性のできものの治療としておこなわれることがほとんどです。
感染を広げないためにおこなわれる凍結療法ですが、施術時の痛みが強く、患部に痕が残ることがあるのがデメリットです。
レーザー治療
レーザーによる除去は、レーザーの光を使ってほくろを削り取る方法です。
切ったり縫ったりしないため傷跡が残りにくいこと、ダウンタイムが短いことがメリットですが、大きなほくろには適さない場合があります。
医療機関でおこなうほくろ除去は、医療従事者の専門知識と技術に基づいて行われ、安心安全である点でおすすめできます。
なかでも、日常生活を妨げることなくほくろ除去ができるレーザー治療が多くの方にとって第一選択となるでしょう。
セルフほくろ除去
自分でおこなうほくろ除去の方法として、次のものが知られています。
●もぐさで焼く
●レーザーペンを使う
●針やカッターナイフで切り取る
●ほくろ除去クリーム
いずれも自宅でできて手軽に思われますが、危険性も多くあります。
次の項で詳しく解説します。
セルフほくろ除去とは?やり方や危険性を確認
自分でおこなうほくろ除去の方法や危険性について確認していきましょう。
インターネットでさまざまなものを購入できる時代ではありますが、自分に合っている方法か、安全にできるのかなどを慎重に考えて選ぶ必要があります。
もぐさで焼く
もぐさによるほくろ除去は日本で昔から行われています。
民間療法の一種で、ほくろに直接もぐさを乗せて火を点けて除去を試みます。
4~5日繰り返すことでほくろがあった場所にかさぶたができ、自然に取れるというものです。
もぐさは少しでも盛り上がったほくろや境界が不明瞭なほくろには使えません。
また、痛みをともなうため焼く位置がずれ、ヤケドしやすいのも大きな欠点です。
ヤケドした部位は感染のリスクもあり、おすすめできない方法です。
レーザーペンを使う
レーザーペンとは、レーザーの出るペン状の器具のことです。
ほくろだけでなくシミやそばかす、魚の目などの除去に使えるといわれている製品です。
レーザーペンの仕組みは医療機関でおこなわれるレーザー治療に似ており、ほくろにレーザーを当てて蒸散させる方法です。
そう聞くと「安全なのではないか」と思うかもしれませんが、専門家による麻酔やアフターケアができない点や、レーザーペンそのものの安全性・扱いにも懸念があります。
安いものであれば5,000円程度でECサイトでも購入ができますが、基本的には海外製であり、安全性や正しい使い方の確認が難しいことがほとんどです。
レーザーが出るペンといえば、レーザーポインタを思い浮かべるかもしれません。
よく知られているレーザーポインタであっても人に向かって光を照射すると危険です。レーザーの光を目に当ててしまうと、失明する危険もあります。
美容用のレーザーペンとして売られているものは、プレゼンテーションで用いられるレーザーポインタとは出力も異なり、照射部位や方法を誤ると大きな事故につながりかねません。
また、通販で購入できるレーザーペンは、医療用のレーザー治療機器とは仕様が異なるため、繰り返し照射してもほくろが取りきれないこともあります。
ほくろが取れないからといって何度も照射し、皮膚を傷つけてしまったり、重大な病変を見逃してしまったりすることもあり得ます。
針やカッターナイフで切り取る
物理的に針やカッターナイフで切り取る方法を用いる人もいます。
実際にブログやSNS等で体験談を目にすることもありますが、非常に危険でありおすすめできません。
目に見え、手の届く場所であれば、針やカッターナイフで切り取れるかもしれません。
しかし、以下の理由できわめて危険な除去方法だといえます。
●痛みが強い
●出血し、安全に止血できない
●傷を縫合できない
●器具が不衛生であり、感染のリスクが非常に大きい
●取りきれない可能性がある
なんとか痛みに耐えて切り取ったとしても、自宅で、元々裁縫道具や文具として使われていたものを正しく滅菌することは不可能です。
切り傷が感染を起こし、命を脅かす感染症を引き起こす場合もあります。
メリットはほとんどなく、絶対にやめてほしい方法のひとつです。
ほくろ除去クリーム
ほくろ除去クリームは、ほくろを取り除く作用のあるクリームを塗るセルフほくろ除去のツールです。
インターネットでも購入可能で、安いものでは1,000円前後とレーザーペンよりも安価で手に入るため、最近注目を集めている方法です。
次の項でさらに解説します。
ほくろ除去クリームとは?人気の理由や使い方を解説
ほくろがある部分に直接塗ることで、そのほくろが取れるというほくろ除去クリーム。
手軽な印象があり、人気が高まっています。
実際の使い方や人気の理由を確認しましょう。
ほくろ除去クリームの仕組みと種類
ほくろ除去クリームには油分の多いタイプやジェルのようなテクスチャーのものなどいくつか種類がありますが、原理はほとんど同じです。
ほくろにクリームを塗ることで患部を溶かし、ヤケドのような状態にしてほくろを剥がしとる仕組みです。
日本国内ではほくろ除去クリームは正式には発売されておらず、一般的なドラッグストアや薬店などでの購入はできません。
近年では、インターネットを使った通信販売により諸外国から個人輸入する形で購入するケースがメインです。
ほくろ除去クリームの成分
ほくろ除去クリームの成分としてよく知られているのが重曹とひまし油です。重曹とひまし油でできたものは「カソーダ」とも呼ばれます。
材料がドラッグストアで手に入るため、ひまし油と重曹とをおおむね1:2の割合で混ぜて自作する人もいるようです。
カソーダのほかに漢方薬の原料である梅の成分を含むものもあります。
重曹も梅の成分も皮膚を溶かす作用をもつものとして含有されています。
ほくろ除去クリームの使い方
ほくろ除去クリームの使い方は、製品によって異なります。
たとえば以下の点に違いがあります。
●塗布して放置する時間
●洗い流すかどうか
●テープで保護するかどうか
●クリームの粘度・硬さ
●塗るための道具を使うかどうか
●使用頻度
通販などで手に入るほくろ除去クリームのほとんどが海外製であるため、使用方法が日本語で正しく説明されておらず、書かれている内容のとおりに使用しても危険が伴うことがあります。
また、使い方がわからず自己判断で使用するのも好ましくありません。
自己判断で使うと肌荒れだけでなく、目に入る、粘膜の炎症が起こるなど、重大な健康被害を起こすこともあります。
健康被害の事例については、別項で解説します。
ほくろ除去クリームが人気の理由
ほくろ除去クリームが人気を集める理由は、主に以下の5点です。
●自分で除去できる
●簡単に手に入る
●安価である
●痛みが少ない
●日常生活を妨げない
ほくろ除去クリームはECサイトなどで安く購入でき、自宅で塗るだけという手軽さが魅力です。
手の届くところであれば、さほど手間なく自己処理できるように思われます。
また、レーザーペンや切る方法に比べ、出血もしないので痛みが少ないのもメリットでしょう。
テープを上手に隠せば次の日も普通に過ごせると考える人も多くいます。
ほくろ除去クリームの注意点
ほくろ除去クリームを個人輸入して使用する場合、その使用はすべて自己責任。
手軽である反面、注意が必要な方法です。
ほくろ除去は可能な限り医療機関で相談することが望ましいお悩みです。
ほくろ除去クリームの使用には以下の注意点やリスクがあるからです。
●プレケア・アフターケアを念入りに
●肌ダメージが起こるかもしれない
●ほくろが取れないこともある
●症状が悪化するかもしれない
プレケア・アフターケアを念入りに
ほくろ除去クリームは「サッと塗って終わり」と思うかもしれませんが、事前・事後のケアが非常に重要です。
日頃からスキンケアを入念に行い、お肌を健やかな状態に保ちましょう。
荒れたり、乾燥したりしている肌にクリームを塗ると、刺激を感じるだけでなく、炎症を起こすリスクもあります。
また、ほくろ除去クリームを塗った後も保湿や紫外線対策を欠かさずにおこないましょう。
肌ダメージが起こるかもしれない
ほくろ除去クリームは、患部をヤケドのような状態にしてほくろを除去します。
そのため、ヤケドや炎症などの肌トラブルが起こるかもしれません。
症状によっては肌に傷が残ってしまうこともあります。
はじめは小さなヤケドだと思っても、どんどん状態が悪くなることもあります。こまめに観察して必要なときはすみやかに受診しましょう。
また、粘膜やデリケートな部位、皮膚の薄い部位などにはクリームが浸透してトラブルが起こる可能性があり、使えません。
ほくろが取れないこともある
ほくろ除去クリームは、医薬品のように効果や効能が認められているわけではありません。
そのため、使い続けてもほくろがキレイに取れないことも考えられます。
また、キレイに取れないからといってクリームを使い続けていると、ヤケドを繰り返すような状態になるため、じわじわと肌を傷つけてしまいます。
クリームで取れないほくろは医療機関での除去に切り替えることをおすすめします。
症状が悪化するかもしれない
ほくろだと思ってクリームを使用したところ実はほくろではなく皮膚疾患だった場合、外部から刺激を与えられ症状が悪化してしまうことも考えられます。
とくに悪性の皮膚がんだったときには、症状が悪化・進行することで治療が困難になる可能性もあります。
少しでも違和感がある場合は、ただちに使用を中止して医師の診断を受けるようにしましょう。
ほくろ除去クリームの健康被害事例
エステサロンでほくろ除去を謳うことにも問題がありますが、ほくろ除去クリームの危険性を痛感するケースです。
(参考:独立行政法人 国民生活センター「エステティックサロンのホクロ取りで顔の皮膚が陥没した」)
以上のように、ほくろ除去クリームを使う方法やその他のセルフほくろ除去には危険性がたくさんあります。
安全性や効果が国内で認められていないほくろ除去クリームを使う前に、まず皮膚科を受診してほくろ除去について相談する方がよいでしょう。
ほくろ除去には炭酸ガスレーザーがオススメ
ミセルクリニックでは、炭酸ガスレーザーを用いたほくろ除去の施術をおこなっています。
炭酸ガスレーザーは、レーザーの熱で皮膚を削り取っていきます。
ほくろがある部分に照射することで除去できます。
炭酸ガスは、細胞の水分と反応して熱を発生します。少しずつ削り取っていくため、ほくろ以外の皮膚を削ってしまうこともほとんどありません。
また、炭酸ガスレーザーを使ったほくろ除去では、ほくろがある部分の肌でほとんど出血することはありません。
メスを使わない施術のため、日帰りで治療が可能で入院の必要はありません。
抜糸の必要もないので、定期的に通院する必要もありません。
仕事や家事などで毎日忙しく過ごしている方でも気軽にご利用いただける施術です。
(※炭酸ガスレーザーの施術では、塗るタイプと注射タイプの麻酔を準備しており、医師の判断で両方使用することもあります。
なんらかのアレルギーをお持ちの方は事前にお申し付けください。)
まとめ
今回はほくろ除去クリームの効果や使い方、注意点について詳しくお伝えしました。
いま一度、さまざまなほくろ除去の方法について整理しましょう。
切開法、凍結療法、レーザー治療をはじめとする、医療機関でおこなうほくろ除去は医師の判断のもと処置が行われ、痛みの処置や安全性などの面ですぐれています。
ほくろ除去クリームをはじめとするセルフほくろ除去は手軽にチャレンジできるため一見簡単に思えますが、医師の目が届かず、痛みや感染、皮膚病変への対処ができないため危険です。
ほくろ除去クリームは、日本では医薬品として認可されていない製品であり、効果がいまひとつだったり、安全性が確認できなかったりとデメリットも多いものです。
皮膚がんやなんらかの疾患が隠れていた場合には、受診せずほくろ除去クリームを使うことで、病気を見逃してしまい、症状が悪化してしまうかもしれません。
当院では、炭酸ガスレーザーのほくろ除去施術をおこなっています。
メスを使わない施術のため傷跡が残りにくい施術です。
また施術時には日帰りで手術ができるため、忙しい毎日を過ごしている方でも利用しやすい施術といえます。
肌トラブルや皮膚がんの不安なくほくろ除去を行うために、ほくろ除去クリームを使う前にぜひ当院までご相談ください。
万が一ほくろ除去クリームをすでに使用してしまったときには、まずは使用を中止し、使用したほくろ除去クリームを持参するか、内容をメモしての受診をおすすめします。
当院では、ほくろがある方が受診された場合、現在のお悩みやほくろの状態を確認したうえで、医師がお一人おひとりにあわせた施術をご提案いたします。
ほくろ施術についてご興味のある方は、まずは無料カウンセリングでご不安やお悩みをご相談ください。
皆様からのご連絡をお待ちしています。