ワキ汗やワキの臭いが気になる方に使える治療方法が、ボトックスとミラドライです。 この二つの方法は、どのように異なるのでしょうか。
今回はワキ汗・ワキの臭いの代表的な二つの治療方法について、比較しながら詳しくご紹介したいと思います。
ボトックス治療の特徴は?
ボトックス治療は、ボトックスという薬剤を患部に注射する方法です。
昔からよく使用されている方法なので症例数も多く、安心して施術を受けることができます。
ヒトには、「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類の汗腺が存在していますが、 このうち、さらっとした汗を出す「エクリン腺」の働きを弱めて 汗の量を減らすのがボトックス治療で行える方法です。
<持続期間>
ボトックスは汗腺自体を取り除くわけではないため、効果が半永久的に持続するわけではありません。 平均で約6ヶ月間汗の分泌を抑制できます。
一般的に、施術後は約3〜7日間後に効果が出てきます。 夏場などの特に汗をかきやすい期間の前に、事前にボトックス注射で対応をすると良いでしょう。 一年中汗をかきやすいという方は、定期的に治療を行う必要があります。
<治療時間とダウンタイム>
治療時間は患部に注射をするだけなので、1回につき約5〜10分とかなりの短時間で行えます。
体に対する負担が少ないので、施術後すぐに帰宅して日常生活を過ごせます。
<傷痕>
患部に対して注射を数回行うだけなので、傷痕はほとんど残りません。
ごくまれに、皮膚が弱い方は術後に内出血が起こることがありますが、時間の経過とともに少しずつ肌が回復していくので、心配はありません。
<痛みの強さ>
使用する注射の針を細いタイプにして、注射前には適度に患部を冷やす、必要時には表面麻酔を使用するなどの方法で治療を行います。
そのため、治療時にはほとんどの人は痛みを感じません。
<ワキ汗・ワキの臭い対する効果>
ボトックスは、主にワキ汗に対して使用する治療方法です。
発汗を促している神経の伝達を阻害する役割があるため、汗のニオイを抑えることはできるかもしれませんが、ワキガに大きく関与しているアポクリン汗腺の働きを弱めることはあまり期待できません。
そのため、ワキガによってワキの臭いがしている方に対しては、期待する効果を示すことは難しくなります。
<金額>
ボトックスは、保険適応内の治療方法です。
そのため、実際の費用としては、約数万円程度と比較的安価に治療が行えます。
ミラドライ治療の特徴は?
ミラドライ治療は、マイクロウェーブを照射することでワキ汗(多汗症)やワキの臭い(わきが)を治療する方法です。
ボトックス注射では、体に対する負担は少ないものの持続性が弱いという欠点がありました。 その問題を改善したのが、ミラドライ治療といえるでしょう。
<持続期間>
ミラドライは、マイクロウェーブを照射して、対象部位にある汗腺の機能を抑えます。 従来の手術では、対象部位を切開した後に、一つずつ目視で汗腺を取り除いて無効化していました。
ミラドライでは、マイクロウェーブで汗腺の機能を無効化するため、従来の手術と同等の効果があるとされています。 そのため、ボトックス注射よりも長期間効果(半永久)が持続します。
<治療時間とダウンタイム>
ミラドライは、両脇の治療で約1時間程度と短時間で治療が行えます。
日帰りで行える治療方法なので、ご自身の体への負担も少なくなり、ダウンタイムはほぼ不要です。
<傷痕>
ボトックスと同様に、患部に対して傷痕が残る事はありません。 しかし、外部から電磁波を照射するので、治療後に一時的に患部に腫れ・赤みが出ることがあります。
時間が経つにつれて少しずつ皮膚が回復していきますので、ご安心ください。
<痛みの強さ>
ミラドライの治療前には、局所麻酔を行いますので、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。
まれに、肘の部分までピリッと痺れるような感覚を訴える方もいますが、とても耐えられないというような強い痛みを感じることはほぼありませんので、安心してください。
治療後に麻酔が切れた時には、皮膚のつっぱりや腫れ、赤み、痛みなどが出ることがあります。 治療当日の夜〜翌日にかけて起こりやすいので、手術の次の日はゆったりと過ごせる休日にするのをおすすめします。
痛みが強い時のために、当院から鎮痛薬を処方することもありますので、合わせてご利用ください。
また、ご帰宅後にアイスパックなどで患部を冷やしていただくと、腫れや痛みが落ち着きやすくなるので、事前に準備をしておくことをおすすめします。
<ワキ汗・ワキの臭い対する効果>
ワキ汗・ワキの臭いに関係する汗腺であるアポクリン腺に対して効果を示すため、 どちらに対しても高い効果を示します。
多汗症・ワキガのどちらにも悩んでいる方におすすめの治療方法です。
<金額>
ミラドライの治療は自由診療に該当するため、保険診療が行えません。
そのため、クリニックによっては約20万〜40万程度の費用がかかるので、注意しましょう。 医療用ローンを利用できる店舗もあるので、支払い方法に不安がある時には、事前に相談するようにしましょう。
結局、どっちの治療法がいいの?
ボトックスとミラドライの治療方法のどちらが良いのか、一言では言えません。
どちらも特徴と性質がそれぞれあるため、患者様それぞれの体の状態に合わせて治療をすべきだからです。 ある程度の目安として、次のようなイメージです。
ボトックス | ミラドライ | |
---|---|---|
持続期間 | 約6ヶ月 | 半永久 |
治療時間 | 1回5〜10分 | 1〜2時間 |
ダウンタイム | なし | なし |
傷痕 | なし | なし |
ワキ汗 | ○ | ○ |
臭い | ✗ | ○ |
金額 | 数万円 | 約20〜40万円 |
ボトックスが向いてる方
「ワキ汗が多くて衣服への汗染みに困っている」、「夏場だけ汗の量が気になる」、 「汗自体のニオイが気になる」、「なるべく安く治療を行いたい」 という方は、ボトックスの方が向いているでしょう。
ミラドライが向いてる方
「ワキガのニオイが気になる」、「汗の量も多い」、「費用がかかっても長期間(半永久)効果を実感したい」 という方は、ミラドライの治療が合っているかもしれません。
ミセルクリニックでは現在ミラドライをモニター価格でご提供しています。
悩んだときは専門家へ相談を
ワキのニオイがワキガなのか、単なる汗のニオイなのか、それともそれ以外に原因があるのかどうかは、実際に医師に診断してもらう必要があります。
ミセルクリニックには皮膚科専門の医師が在籍しているため、ご自身のお体にあった適切な治療方法を提案させていただきます。 まずは無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。